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遠く広い地に、ただ佇むことだけを覚えて。
いつかあなたに会えるのでしょうか?
あの日、(とても目障りなほど、雨が降っていた)俺は自由になった。
束縛のない世界に立ちたかったのは確かだが、それより何よりも、いつまでもあの人の弟じゃいられない。
弟としてだけしか見られないなんて、そんなのは苦痛でしかなかった。
対等でありたかった。
互いが互いを支えあえるようになりたかった。
そのためには、力が必要だった。
「…………oh,no…」
ずいぶんと時が立ち、ようやく故郷に帰った俺は立ちすくんだ。
そこにいたはずのあの人の姿は、そこにはなかった。
**
『……アーサー。俺、旅にでるよ』
『………っ!?』
『もう子供じゃない。パーティを組んで、ギルドに狩り出る。この世界を渡り、自由になるんだ』
『………あ、…アル…?』
『そう、だから、「君の弟」の称号は返上するよ。…もう、君の弟でもなんでもない。俺は一人の剣士として旅にでる』
『……!…っ、あ、…そ、そんな、の…!』
『だから認めてくれよ、アーサー。俺は今から、君の元を去るよ』
『……んなの…っ認められるはずが、『ないわけないよね』……っ!』
『誰も俺の権利を損害することはできないよ。君に俺を制圧する権利はない』
『……あ、…アル、…アル!アルフレッド!』
『さよならだ、アーサー。もう君とも家族でもなんでもない。』
『………………そんな、…アル………』
バッ、と。
勢いよく起き上がれば頭がぐわんぐわんと痛みを訴えた。
気づけば、頬を伝う雫。
ああ、そうか………あれは、あの時の…。
「悪夢でも見た?」
「……っ!………、フランシス」
テントの外に出ていたフランシスがこちらをのぞく様に入ってきた。
その手にはマグカップ。ふわりと湯気が舞う。
それを見るだけで外がいかに寒いかを痛感させられる。
なのに、今は体の火照りが消えない。背中にかいた汗が気持ち悪い。
「泣いてるじゃない」
「…………」
何も言わず押し黙っていると、フランシスが以外そうな眼でこちらを見たあと、隣に腰を下ろした。
「泣いてなんかねぇよばかあ!」と怒声が聞こえるかと思ったのに、とフランシスは苦笑する。
「…………あの時の、」
「あの時?」
ぎゅ、と毛布を掴めば、頬を伝う涙が重力に逆らえずに落下し毛布にシミを作った。
泣きじゃくるわけでも、ぼろぼろと泣くわけでもなく、ただ、自然にこぼれ落ちる涙を見て何故か「不思議」と思う。
「夢を、…………アルが、俺から去っていった日の、」
「…!!……」
「………酷い顔だった…。俺も、アルも………どうして、」
それだけ言って、アーサーの言葉は途切れた。
隣に座っていたフランシスがアーサーの頭を包むようにして抱きしめたから。
大きな手に包まれ、言葉を失うアーサーの涙は止まることはなかった。
ただ、ただ無音で抱きしめられながら泣いた。声も出さずに、顔を歪めることもせずに。
ただ、自然と零れる涙を見ていた。
***
「あいやー……眼鏡、何あるか、その顔は」
「何?会えなかったの?、その人には」
「…………見たところ、会って嬉しいような顔はしてませんね」
ガヤガヤと雑音の酷い酒場にいたのは彼、アルフレッドのパーティメンバーである耀にイヴァン、そして臨時スケットとして入った菊。
ひとり、ふらふらと酒場に入ってきたアルフレッドを見つけた3人がそう、口々に言った。
何を勝手なことを。でも、事実だ。
「どうしたんです?ジョーンズさん。あんなに嬉しそうにしていたのに…」
「そうある!『やっと会えるんだぞっ☆』てウザイくらいにテンション高かったあるのに、何是そんな暗い死んだ魚の目をしてるある。どうせ愛想つかされて逃げられたのがオチあるね」
「王くん。アルフレッドくんの会いたがってた人は恋人じゃないよ?」
ニコニコとフォローをいれたつもりなのだろうか、イヴァンの笑顔と言葉が逆にアルフレッドにぶっささり、もはやアルフレッドのヒットポントが0に到達しそうな勢いだった。
「や、あの…ジョーンズさん死に掛けてますから…そのへんにしといたほうが…」
菊の正しいフォローもむなしく、無言で酒を飲み始めるアルフレッドに耀もイヴァンも冗談どころではないのを悟ったか、目を丸くした。
「何ある、そんなに悲しかったあるか」
窮地というわけじゃないが、相手が困るとどうも自分も困ってしまうような変な体質の耀はアルフレッドの落ち込みようを見て自らもいたたまれなくなった。
こういうのを本当のバカなのだな、と心のなかでひそかにアルフレッドは毒づいた。
「それで…本当にどうなされたんですか、ジョーンズさん」
心配そうな顔でアルフレッドの顔を覗き込む菊に、ようやくアルフレッドは口を開いた。
「いなかったんだ。家も部屋ももぬけの殻。出かけてるのかとも思ったけど、旅に使うような道具は全部なかった。きっと、この街にはもう……」
「入れ違い、というわけですね……あの方も、もしやジョーンズさんを追って旅立ってしまわれたのでしょうか」
「あの方、って……まるで知り合いみたいな言い方、…そういうのはやめてくれよ本田」
ああ、と菊が声をあげ、少し間を空けて、首を捻った。
「ご存知なかったですか?私、アーサーさんと知り合いですよ」
「……………………what?」
「カークランドさんですよね、ジョーンズさんが会いたがっていた、あなたの元兄の」
ニコリとさも当然のように言ってのける菊に、アルフレッドは思わず菊に飛びついた。
「何故だい!?アーサーに会ったことがあるのかい、君!」
「ちょ…っ!落ち着いてくださいジョーンズさん。私はカークランドさんとは古き友人関係なのですよ」
「で、でも……俺は知らなかったぞ!?アーサーの友達なんて、」
「そりゃあ私もあなたには会っていませんし……カークランドさんのご友人といっても、あまり会うことも少なかったので」
あわてて耀とイヴァンがアルフレッドを菊から引き離し、解放された菊は自分の服装を整え、ごほんと堰をついた。
「それに、あなたがカークランドさんの元から離れてからは私、カークランドさんには会っていませんから」
「カークランドさんが今何処で何をしているのかなんて知りませんよ」、と警告ついでに菊はアルフレッドを見た。
3人のため息が交差する中、アルフレッドだけが泣きそうな顔をし、ぎゅ、と拳を握った。
「(何故だい、アーサー?
俺は、俺はただ…君を守りたくて、――――――君から離れていったんだぞ。
君を守れるだけの力が欲しくて。だから、ようやく、かえってきたんだぞ。
君を守れるだけの力を持ったから。君を、守るために。ようやく、君と対等になれたのに。
君がいなくちゃ―――……)」
「……ジョーンズ、さん?」
「…っ! あ、HAHAHA!皆なんて辛気臭い顔してるんだい!さぁ、今日は飲もうじゃないか!せっかく俺の故郷にきたんだ!楽しんでってくれよ!」
「………アルフレッド…」
「アルフレッド君…」
「……ジョーンズさん、「お久しぶりなんだぜーッ!皆、こんなとこで会うなんて奇遇なんだぜ!」
「…っな、ヨンス…!?何でこんなところにいるある!?」
「俺も丁度このあたりのギルドクエストに訪れてたんだぜー!」
「あー…(マジで空気読めない人ですね…)その、ヨンスさん、パーティの方は?」
「さっき丁度クエストが終わって解散してきたんだぜーだから俺暇だから一緒に飲んでやるんだぜ!」
「(いやいりませんよ…)そうですか…」
「め、っ眼鏡がいいって言わないとある!リーダーは眼鏡ある!」
「何言ってるんだい?いいにきまってるじゃないか!さぁ、今日は飲み明かそうじゃないか!」
本当は。
酒に逃げたいだけだったのかも。
君がいなくなった事実を、認めることが俺にはできなかったのかもしれない――…。
**
とりまこんな感じで進んでいくかもしれない、ヘタRPGパロ。
カプとかにしてはアル→アサ←フラで、フラアサが2人だけのパーティ。
たまにクエストとかでフェリとかが入ったり、入らなかったり。
アルは耀とイヴァンとの3人パーティ。たまに菊が入ったり、他の人が入ったり。
補足としてはルートとフェリが同じパーティ(たまに菊)でギルとトーニョが同じパーティ(ていうかこの2人は個人活動が多い)
なので悪友+アサとかのパーティもありえる。よくあると思ってる(なんの妄想)
んでいつかダンジョン内とか街中でアルとアサが会って、「何で君がいるんだーっ」てなるんです。
ようやくアサを見つけたアルがアサに詰め寄っちゃって、アサが泣きかけになるんです。
傍から見たら襲ってるように見えちゃうんです。
そこに兄ちゃんがくるんです。「何やってんだテメー」みたいな。
そこでようやくアルVSフラなんです。アサーを巡って!(痛い)
アサとしてはアルに会えて嬉しいんだけど、(自分をキライになって出て行ったんだと思い込んでるアサは)どうしていいかわからないから2人を止めるにも止められなくて、でも止めなきゃーみたいな。
こんなサンド大好物です(´Д`*)ハァハァ←(きもい!)
誰かこんなサンド書いてくれませんk(ry
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